UIJターン者成功事例

ユニークな校風を丁寧に発信し、採用に繋げる

鳥取県にありながら首都圏からの就職希望者が多く、実際に県外出身の先生が多い青翔開智中学校・高等学校。地元・首都圏を問わず欲しい人材を採用し、活躍してもらうためのポイントは、校風や学校の価値観をいかに就職希望者に理解してもらえるかを考え、工夫し、丁寧に伝えることでした。学校長でありながら人事も担当する織田澤先生に、UIJターン者採用の成功事例として、現在の採用状況や、地方の企業が優秀な人を採用するためのノウハウ・心構えなどお話を伺いました。

プロフィール

鳥取県

学校法人鶏鳴学園 青翔開智中学校・高等学校
織田澤博樹(おたざわ ひろき)校長

青翔開智中学校・高等学校 校長。日立製作所でエンジニアを経験した後、キャラクタービジネスの世界へ転身、玩具やミュージアムの企画を担当。2012年より鳥取市へ転居し青翔開智中学校・高等学校の設立に参画する。副校長を経て2020年より現職。

採用状況について

2014年の開校より1~2年目は鳥取市内だけで採用説明会を行いましたが、全く人が集まらずに苦労しました。そこで翌年からは、教員向け採用情報サイトが主催する首都圏での採用説明会に参加するようになりました。ブースを出して、プレゼンをして、興味ある人はすぐに1次面接を受けられるという、いわゆる企業が行う合同説明会と同じものです。
やってみて分かったのが、鳥取とは違い、首都圏での反応が思いのほか良いということでした。新しいものに拒否反応がないのか、本校が取り組む「探究」や「デザイン思考」といった、聞き慣れない、従来とはかけ離れた新しい教育に挑戦したいという希望者が多くいました。以降は、地元での採用は継続しつつ、首都圏での説明会を中心に採用を行っています。現在在籍する教員たちの県外・県内出身者の割合は6:4から7:3ぐらいです。

教員の平均年齢は33歳です。文部科学省が公表する公立教師の平均年齢が約44歳。僕も校長としては若いので、おそらく日本で一番若い教員のチームだと思います。活気がある一方、県外出身者かつ20代であれば、数年後には次のキャリアを考える転換期がやってくると思います。僕も転職を繰り返して今の職に就いていますし、ステップアップを推進したい気持ちがありつつも、私立校は同じ先生に長く見てもらえるというのが良さのひとつだと思いますので、入れ替わりが激し過ぎるのも考えものです。だからといって長く勤めてくれることが期待できる県内出身者の割合を増やし過ぎても、今度は学校が硬直化してしまうし、バランスが非常に難しい。

世の中には「社会人経験者が学校の先生になった方が絶対に良い」という意見が根強くありますよね?例えば本校の場合、プロジェクト学習で地元・鳥取の企業と連携をしているのですが、企業とやりとりをしたり、生徒が企業文化を学ぶ時に、その経験が生きる場面も確かにあります。一方、学校にも特有の文化があって、生徒や保護者との関わり方など、そこは学校経験が長く、卒業後すぐに先生となった人もまた必要なんです。

そもそも他で優秀だった人が、うちの学校に来て優秀であり続けられるかどうかも分からない。だから経験よりも、青翔開智を深く知ってもらった上で、マッチするだろうかという部分を重視するようにしています。

採用活動の中で工夫していること

青翔開智はどんな学校かを知ってもらうために、いつも使用しているフレームがあります。
好きなこと、得意なこと、価値観、社会から求められること、これらが交差しているところを探究し、それを突き詰めていこうというものです。実はこのフレームは、生徒が探究活動の題材を決めたり、進路を考えるときに使っているものなんです。

先生たちにもこの4つを認識して仕事に取り組んでいただきたいですし、この4つを考えてみた上で、うちの学校に合うかを見極めてくださいとお伝えしています。好きなこと、得意なことが実現出来そうか?社会から求められていること――、これは学校の先生ってだけで社会から求められていることがあると思いますので、そういう立場になるという心構えがあるかどうか。特に大事なのは価値観ですね。私たちの考えや、学校の空気感など細かいところまでお伝えはします。その上で、一緒にやっていけそうかを見極めていただきます。

例えば、具体的な求める人材像の一つに、「カジュアル」というものがあります。カジュアルとは、気軽で格式張らない人のことです。生徒と本当にフラットで話してもらえる先生に来てほしいというメッセージです。

中高の6年間で取り組む探究活動の最後に、生徒全員が論文を書くのですが、この時に教員が一人2、3人の生徒を担当します。もしその先生が気軽に話も聞けない人だったら、生徒も参ってしまいますよね。先生の中には、「生徒との上下関係がないなんて信じられない!」という人もたまにいるんです。でもそういう方は、本校に合わないので別の学校へどうぞとお伝えすることになります。採用活動において、価値観のすり合わせは徹底的に行います。

採用活動の中で工夫していること

今年になって県外から入学の問い合わせも増えていて、比例して地方就職に目を向ける学生や就職希望者も増えそうだという機運を感じています。ですが基本的なアプローチは変わらず、引き続きどんな学校かを知ってもらうことに努めるだけです。

首都圏へ出向いての説明会もいいですが、本校は全体に書棚を配置していたり、全館にWi-Fiを完備していたりと、校舎全体のデザインにも目指す教育やコンセプトが詰められているので、実際に校内を回ってもらうことも大切にしています。

しかし昨今、新型コロナウイルスの影響で足を運んでもらうのが中々難しいという状況です。本校では、YouTubeで学校の雰囲気が分かる動画を配信するなど、オンラインでの取り組みも試行しています。しかし、他の企業の人事の方も同じでしょうが、こればかりはしばらく辛抱しなくてはいけないかなと思っています。

まとめ

青翔開智中学校・高等学校は、採用活動において、いかに学校のことを知ってもらうか?に注力していました。自社をPRする際に、「周知されていない新しい取り組み」や「専門性の高い分野」は、どうしても説明が長く難しくなりがちです。しかし青翔開智は、その「両方」に該当しながらも、簡潔に分かりやすく伝えるための工夫がなされていると感じました。

企業が採用活動時点から情報提供を積極的に行うことで、就職希望者は自社で働く姿を具体的に想像することができるため、結果としてミスマッチが減り、企業・就職希望者双方にメリットが生まれます。採用活動での「知ってもらう努力」の重要性を改めて認識させられました。

学校プロフィール

学校名:

青翔開智中学校
青翔開智高等学校

設置者:

学校法人 鶏鳴学園

創立:

2014年

生徒数:

256名(2020年5月1日時点)

教員数:

51名(2020年5月1日時点)

ホームページ:

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