今さら聞けない
中小企業の採用Q&A

住宅補助、面接時交通費の扱い方から
内定辞退防止策、応募増施策まで

ここ数年、地域・地方が注目されているのに加え、新型コロナウイルスの影響もあり、地方の中小企業にとっては、かつてないほどに良い人材と出会えるチャンスが到来しています。
しかし、いざ首都圏在住の転職希望者、新卒者も視野に入れ、採用活動を行おうと思ったら、判断に迷うことが次々と出てきます。そのいくつかを質問形式で取り上げ、回答します。

都会の若い女性は「地元には希望にかなう仕事がない」「地方企業では女性が活躍しているイメージが持てない」とUIJターンにあまり積極的ではない傾向があると聞きます。都会で働く女性に、地元の中小企業に目を向けてもらうためにはどうしたらいいでしょうか?
仕事・働き方・ロールモデルの3つの観点から、自社の魅力をアピールする方法、情報を検討してみてください。以下のすべて網羅的に発信する必要はありません。他社との違い、自社の強み・独自性を強く打ち出すことがポイントです。

仕事……仕事を通じて実現可能な成長を具体的に発信してみてください。一般的に、「地方は都市部と比べ若いうちから裁量が大きくやりがいのある仕事ができる」と言われますが、実情までは掴めず、背中を押されるまでには至りません。UIJターンをしても、都市部での仕事と同程度かそれ以上に成長でき、キャリアの面でプラスになることを自社の状況に応じ、具体的に発信できると効果的です。また、SNS等を活用した広報活動など、場合によってはそのような仕事を創出し、都市部と変わらない、時流に合った仕事ができることを認識してもらうのもいいでしょう。

働き方……都会の大企業にはない、中小企業ならではの小回りの利いた柔軟な働き方が可能であることは、効果的な訴求ポイントです。勤務時間をフレキシブルに変えられる、多様な働き方をする方がいる、といった職場であれば、ぜひその実態を発信してください。

ロールモデル……求職者にとってロールモデルの有無は、活躍イメージの形成に大きく影響します。自社のWebサイトなどに活躍している女性社員に登場してもらい、これまでのキャリアやそこで働く理由など、積極的に発信していくことをおススメします。
Iターン転職を検討している若年層は、「住宅のサポートがあるか」が入社の決め手になることが多いと聞きます。採用する側として、どんな取り組みをすればいいでしょうか?
社員寮や社宅を用意できればそれに越したことはありませんが、かかる時間や費用を考えると、簡単な意思決定ではありません。一つの方法としては、借り上げ社宅等を地域の複数企業共同で用意する方法です。同じような悩みを持つ地域の企業がいれば、Iターン転職対策として、声を掛けてみてもいいかもしれません。
より取り組みやすい施策としては、まず家賃補助の手当を充実させる方向で検討するのも手です。また、移住に伴う引っ越し手当の制度も、企業のIターン転職者に対する前向きなメッセージとなりますので、検討してみることをおススメします。
ほかに、自治体の移住奨励金を活用する方法もあります。移住してくる人が全員、自治体の情報を漏らさず確認しているわけではないので、情報をまとめて案内するだけでも誠意と受け取られますし、Iターン転職者を採用しようとしている企業の姿勢が伝わります。
「UIJターン歓迎」と求人サイトなどに記載したいです。具体的に、どのようなことに配慮したらいいですか?
歓迎している旨の記載だけで終わらず、求職者に「UIJターンを歓迎している」と思ってもらう取り組みを実際に行っていることが重要です。
例えば、認知度を向上させる意味でも、東京や大阪等の主要都市での会社説明会に参加してみてはいかがでしょうか。首都圏での採用に力を入れていることが伝わりますし、首都圏の求職者と話をすることによって、求職者の考えだけでなく、自社の見え方を振り返る良い機会になります。民間業者の合同説明会もありますが、地元自治体が主催するものも多いので、費用的にもまずは後者への参加検討をおススメします。
選考の過程では、実際に自社に足を運んでもらうことも重要ですが、オンラインでの選考も行い、求職者の負担が大きくなりすぎないように配慮するといいでしょう。
採用決定後は、求職者の住居の手配や引っ越しに配慮し、入社までの期間を調整可能にすると親切です。住居選択や引っ越しのサポートを行うことで、求職者の支援もしつつ、入社準備をスムーズに行うことができます。
知人がいない地方で暮らすことになったIターン転職者に、不安を解消してもらい、できるだけ長く働いてもらうためには、どのような配慮が必要でしょうか。
内定承諾後から入社までの期間は、生活面の相談を含め、こまめに連絡を取り、気軽に相談できる関係性を作れるといいでしょう。
入社後は、メンター制度を導入し、公私ともに相談できる先輩をつけることも効果があります。また、社内の親睦を深めるイベントに誘ってみたり、社内にサークル活動などがあれば、紹介してみたりするのもいいでしょう。ポイントは、Iターン転職者に対し、多くの独立したつながりを作ってあげることで、その結果として相談できる人の選択肢を増やしてあげることです。
社外のつながりの紹介として、自治体と連携して、移住者のコミュニティについて情報提供を行う方法もあります。
ここで重要なことは、押し付けがましくならないことです。相談はこの人にすべき、と人間関係を決めつけたり、社内行事やサークルの参加を強制するなどしないように気を付け、あくまで相談しやすい窓口を作ったり増やしたりすることを心掛けてください。
求人を出しても、なかなか応募がありません。どうすれば採用したいと思える人材に出会えるでしょうか。中小企業が採用に成功する方法を知りたいです。
2つの観点から回答します。
一つ目はいかにして求職者と出会う機会を増やすか、二つ目はいかにして自社の魅力を求職者に伝えるかという点です。
求職者と出会う機会を増やす方法としては、合同説明会、マッチング業者やスカウトサービス、紹介人材サービスを利用する方法があります。また、OB・OGのルートを生かして出身大学にアプローチしたり直接食事会に招待したりする方法や、SNSを使っての告知などもあります。新卒学生へのアプローチとして注目されている「奨学金返済支援」を検討するのも一つの方法です。
自社の魅力をいかにして伝えるかという点では、相手が何を求めているかを理解した上で自社の魅力を求職者に響くようにアピールできているか、自社にとっての良い人材や、求める人物像が明確にされているか、それぞれ言語化して検証するといいでしょう。
会社説明会や面接の際、応募者に交通費は支給したほうがいいでしょうか?
実際に交通費を支給している企業は3割程度、うち6割が最終面接時というのが現状です。しかし、交通費が支給されることは求職者にとって魅力の一つといえますし、採用を重要視しているという企業のメッセージにもなります。
企業によっては、説明会の参加にも交通費を支給するところもあります。求職者側も、交通費支給の企業説明会や面接とタイミングを合わせて同地域の他社を回る場合があります。
自治体によっては、遠方から説明会や面接、インターンに参加するために交通費の補助金を制度として設けているところがありますので、調べてみることをおススメします。
最近では、新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの説明会や面接が増えています。交通費がかからない手段となるため、応募側も企業側にとってもメリットがあり、今後増えていくことが予想されます。
中小企業もインターンシップを実施した方がいいとは思うが、どのように実施すればいいのか分かりません。人手がなく、現場の手も回りません。
インターンシップには、短期インターンシップ、長期インターンシップ、の二種類があります。また、これとは別に、手軽に参加してもらいやすい「ワンデー・プログラム」もあります。大手企業は多くの学生を集められることから、会社説明会・セミナーや工場見学、職場体験ワークショップなどのワンデー・プログラムを複数回開催する傾向にありますが、中小企業の場合は、学生にとって人気が高い「実務体験ができる」短期・長期インターンを活用する企業が多いです。
最もおススメするのは短期インターンシップです。数日間学生と接することで、企業にとって学生を見極めるいい機会になりますし、学生も実務経験を積むことで、会社を深く知るきっかけとなります。
また、社内で短期インターンシップの内容を検討することで、仕事の設計や進め方を振り返る契機となり、社内の問題解決や社員の成長につながることも少なくありません。
現場の手が回らない場合には、まずは会社の魅力を伝えるワンデー・プログラムを実施してみるといいでしょう。内容も、会社説明だけではなく現場の見学や社員との座談会を入れるなど、自社の深い理解につなげることがポイントです。
せっかく採用しても、長続きせず辞める人が多いです。採用のミスマッチを防ぐためにできることは?
3つのパターンに分けて回答します。
1つ目は、環境のミスマッチです。「こんなに長時間働く職場だと思っていなかった」や「もっと仲間とわいわい仕事をするのだと思っていた」といった理由などでの離職です。環境のミスマッチによる離職が多ければ、選考時に現場社員との交流を増やし、入社前に現場で働くイメージを具体的に持ってもらえるように努めてください。
2つ目は、条件のミスマッチです。採用した人のスキルに対して待遇が低く、すぐに転職してしまうパターンです。条件のミスマッチを減らすには、自社で求める人材のスキルが市場でどう評価されているかを調査することや、入社した人材が想定していた仕事に取り組めているかをフォローすることが重要です。
3つ目は、能力のミスマッチです。求めるスキルに対して能力の低い転職者が入社してしまい、軋轢を生んでしまうパターンです。能力のミスマッチに対処するには、採用候補者のスキルの評価方法を見直すことや、実際に現場の社員に採用に関わってもらうといいでしょう。
内定を出しても、辞退されることが多いです。内定辞退を防ぐにはどうすればよいですか?
内定辞退に至る要因としては、別の会社に入社を決めた、もしくは転職元の会社に留まることを決めた、のどちらかである場合がほとんどです。内定を出した求職者から見た自社の魅力が、別の会社や転職元の会社を上回るようにする必要があります。
自社で取り組むことができる改善点として大きいものは、選考中・内定後のコミュニケーションです。
地方企業への就職・転職は移住を含むケースも多いため、入社後に上手くやっていけるか、地域に上手くなじめるかなど、求職者が不安になる要素が多いです。自社の雰囲気や、仕事内容、キャリアパス、地域事情や暮らしにまつわることなど、丁寧にコミュニケーションを取り、求職者の不安を払拭できるよう努めてください。

「地方人材還流促進事業」(LO活プロジェクト)事務局
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